森本貴義+近藤拓人『新しい呼吸の教科書  【最新】理論とエクササイズ』

新しい呼吸の教科書 - 【最新】理論とエクササイズ - (ワニプラス)

新しい呼吸の教科書 - 【最新】理論とエクササイズ - (ワニプラス)

  • 作者:森本 貴義,近藤 拓人
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2018/05/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
最近、食事や運動などカラダ関連の本について、一部の人の経験ベースではなくエビデンスベースで解説してくれる本が増えていて、わたしは良い傾向だと思う。もちろん経験ベースの理論が必ずしも悪いというわけではないんだけど、本書は冒頭から個人的にはなかなか衝撃的だった。まず、そもそも大抵の人は適切な量よりも2〜3倍も多く呼吸していると言われているそうだ。呼吸過多になると体は空気を拒み、気道が狭くなる。その結果、体が酸素を取り込む能力が低下し、血管が細くなり、臓器や筋肉に十分な血液が行き渡らなくなるそうだ。もっと言うと、回数だけでなく、いわゆる深呼吸もNGである。わたしを含めた多くの方は深呼吸が良いものだと思っているが、実は深呼吸自体が喘息などの原因になるというエビデンスが既に出ているそうである。

理想は「静かな呼吸」とのこと。鼻から5秒吸って、鼻から5秒吐いて、その後少なくとも5秒以上息が止まっている状態、そして鼻息などが聞こえない状態が理想であるとのこと。わたしとしては、この「息を吐いた後、しばらく息が止まっている状態」というのがかなり衝撃だった。ふと自分の呼吸を意識してみると、わたしは「息を吸っている状態」と「息を吐いている状態」はあるけど、「吐いた後に息を止めている状態」はあまりないような気がする。普段の呼吸は無意識なので実態はよくわからないが、少なくとも、全般的に浅く多くの呼吸をしていると思う。

さて、本書が面白いのは、呼吸を整え、鍛えるためのエクササイズが豊富に載っている点である。ひとつふたつではなく、レベル別にたくさん掲載されている。

わたしはエクササイズの前に、まず自分の呼吸が正常かどうかのチェックを一通りやってみたが、全般的に駄目だった。

幾つか紹介するが、まず自分の普段の呼吸量のチェックは以下。

  1. 秒数が測れるものを用意して普段通りに呼吸する
  2. 息を吐き、鼻をつまむ
  3. 息をつまんだまま、次に”明確に”「息を吸いたい」と感じるまでの時間を測る

これの理想は40秒以上で、20秒未満はNGなのだが、わたしは17秒。

次に、安静時の呼吸状態のチェックは以下。

  1. 仰向けに寝て、両足裏は床につけたまま、両膝を立てる
  2. お腹の両端に手を当てる
  3. 息を吸う祭、自分のお腹がどう動いているかを観察する

お腹が横に向けて膨らむ場合は、安静時呼吸が正しくできている可能性が高い。一方、お腹が横に向けて動かない、少ししか膨らまない、凹む場合は、呼吸が乱れている可能性が高いそうだ。また、お腹が膨らんだら腹式呼吸だねというのが一般的な理解だと思うが、お腹が横に膨らまずに前方(天井方向)にだけ膨らむ場合も基本NGで、これは腹筋が弱くなっている可能性が高いとのこと。

わたしは、ごく僅か横に向けて動いている感覚があるが、明確に横方向に動いていると言えるほどの動きはなかった。

これはエクササイズ含め、しっかりやっていきたい。