三浦建太郎『ベルセルク』1〜3巻

ベルセルク コミック 1-37巻セット (ジェッツコミックス)

ベルセルク コミック 1-37巻セット (ジェッツコミックス)

ベルセルク (1) (Jets comics (431))

ベルセルク (1) (Jets comics (431))

ベルセルク (1) (Jets comics (431)) ベルセルク (2) (Jets comics (437)) ベルセルク (3) (Jets comics (456))
1989年より連載されているダークファンタジーの最高峰。
しかし最近は完全に連載が止まってしまい、自他共に「作者が死ぬまでに完結しないんじゃないか」という危惧が語られるようになっている。これまで何十回どころではないぐらい読み返しているのだが、さすがにそろそろ続きが読みたい。
さて本作は四半世紀に渡って続く作品だけあり、ストーリーも幾つかの時代・テーマに分かれているため、Wikipediaを基に整理しておく。

  • 黒い剣士(1〜3巻)←NOW!!
  • 黄金時代(3〜14巻)
  • 断罪篇(14〜21巻)
    • ロスト・チルドレンの章
    • 縛鎖の章
    • 聖誕祭の章
  • 千年帝国の鷹(ミレニアム・ファルコン)篇(22〜35巻)
    • 聖魔戦記の章
    • 鷹都(ファルコニア)の章
  • 幻造世界(ファンタジア)篇(35巻〜)
    • 妖精島の章

「黒い剣士」は、いわゆる序章である。
物語には、時系列順に語り始めるのではなく、クライマックスやその手前から語り、読者を一気に引き込むという話法があるけれど、本作はその典型であると言って良いだろう。主人公らしき「黒い剣士」は、まさに怪物じみた形相で、普通の人間では10人掛かりでも持ち上げられないような巨大な鉄塊を「剣」として振り回し、普通の人間では100人束になっても叶わない「使徒」と呼ばれる本物の怪物と渡り合っている。そして神様のように圧倒的な力を持つゴッド・ハンドと呼ばれる相手にも凄まじい憎悪をぶつけている。何故そこまでするのか、読者には全然わからない。しかし、その圧倒的なテンションに引き込まれてしまうのである。
なお、この時期の絵柄はいわゆる「若書き」であり、技術的には今の三浦建太郎とは雲泥の差である。しかしそれでも他の漫画家と比べると、既に十分に巧い。やや画面が雑然としている感はあるけれど、それも主人公の心理状態と(好意的に)考えれば、なかなか乙である。