インキュベ日記

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恵三朗+草水敏『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』5巻

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(5) (アフタヌーンコミックス)

フラジャイル 病理医岸京一郎の所見(5) (アフタヌーンコミックス)

「病理医」という立場から医療の現実や闇に切り込んでいる作品。今回はセカンドオピニオン編ということだが、5巻を読んでセカンドオピニオンの難しさを痛感した。セカンドオピニオン制度を使うことで、複数の医師の診断を得ることができる。でもその後は?

プライドを傷つけられた最初の診断を下した医師とのコミュニケーションはどうすれば良いのか? 

どちらの診断が適切か、患者はどうやって判断すれば良いのか?

そもそもなぜ患者や患者の親が、責任を持ってどちらの診断が妥当かを判断・選択せねばならないのか?

セカンドオピニオンというのは一見して非の打ち所のない制度であるように何となく思っていたが、運用局面では必ずしもそうではないことが、凄くよくわかった。結局、本作に出て来るような、一部の「優秀で高潔な患者思いの医師」と出会うことしか、解決方法はないのだろうか。

余談

なお連載が始まった当初から絶対ドラマ化されるだろうなと思っていたが、予想通りドラマ化された。医療漫画→原作をテレビドラマ化→人気が出ればオリジナルストーリーでテレビ放送を継続、というのはもはや鉄板のマネタイズ手法である。医療や医師やナースにスポットを当てた漫画で、テレビドラマ化されたものは幾つあるだろう? 10は優に超えていると思う。