ペトス『亜人ちゃんは語りたい』4巻

亜人ちゃんは語りたい(4) (ヤングマガジンコミックス)

亜人ちゃんは語りたい(4) (ヤングマガジンコミックス)

少数ながら亜人の実在が確認されており、かつ普通の親からいきなり亜人が生まれるという本作において、亜人(デミ)は「物珍しい存在」ではあるものの、一応人権は保たれ、普通に学校に通うこともできている。主人公が勤務する高校では、バンパイア、デュラハン、雪女、サキュバスと亜人が多く集まっており、主人公は大学時代から亜人に興味を持っていたことから、亜人の良き理解者であろうとする……という設定のゆる系日常漫画。

正直「イマイチ感」のあった3巻に比べると、キャラや設定を色々と掘り下げて再び面白くなってきた。けど、わたしはどうにも本作の主人公の偽善的な態度が好きになれない。寛容さの演出というかね。興味本位であることを認め、そこから対個人としての関係性の深堀に進まなければ、それは嘘だと思うのだ。事実、人間と亜人は違うのだから。何というか、そういう関係性の閉塞感を打ち破ってくれるキャラが、もうひとりふたりいるとグッと面白くなると思うんだが、どうも「ゆる系日常漫画」で行きたいみたいなので、そのあたりのブレイクスルーの可能性が少ないというかね。