インキュベ日記

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松本次郎『いちげき』1巻

いちげき (1) (SPコミックス)

いちげき (1) (SPコミックス)

幕末漫画だが、他とは一味も二味も違う切り口。

時は幕末………大政奉還後、江戸幕府との武力決着を望む薩摩藩は幕府を挑発すべく、江戸にたむろする浪士たちをかき集めて「御用盗」なる武装集団を結成、「攘夷のための資金提供」を名目に夜な夜な江戸の商家を襲わせていた。
そのころ、江戸近郊の村々から百姓たちを集めた「選抜試験」が行われ各村から力自慢で有名な猛者たちが集結していた。
選抜試験を仕切る侍たちの狙いは? 選抜試験後に待っているものは?

要は、そこらへんの百姓を集め、最低限の剣術を教え、御用盗を殺させようという武士のたくらみに乗っかってしまった百姓の一人が主人公なのだが、百姓たちの「状況を全然理解していない感じ」が凄く出ている。読んでいるこっちは、取り返しのつかないことになるよと正直はらはらしているんだが、そんなこと思ったところでどうにかなるわけでもなく、せいぜい半月かそこらのトレーニングで「戦場」に放り出されようとしている百姓たち。いつの時代も情報弱者は損をする。