インキュベ日記

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田中一行『エンバンメイズ』1巻

エンバンメイズ(1) (アフタヌーンコミックス)

エンバンメイズ(1) (アフタヌーンコミックス)

作者はかつてアフタヌーンで『イコン』という漫画を描いていた人。『イコン』の冒頭におけるハッタリは正直わたしを大いに痺れさせてくれたが、その後の尻すぼみ感もまた素晴らしく、その上Twitterで、あれは予定通りでそれをわからない読者が無能だの、自分の思うように描かせてくれない編集者が無能だのと書き散らしていて、一気に興が冷め、その後は全く追いかけていなかった。しかしながら『イコン』に続く連載2作目『エンバンメイズ』が最近完結し、Kindleでも1巻の無料配布をしていたので、とりあえず購入&読了してみた次第。

タイトル名からは想像もつかないが、本作はダーツ漫画である。賭けダーツという裏の世界の遊びがあるという設定で、多くの人の賭けの対象になって物凄いプレッシャーを感じながら、「負けたら終わり」の命がけのダーツをプレイする、というのが大きなストーリーだろうか。なお本作の登場人物は、何もなければ基本的にダーツで満点を取るスキルがある。つまり普通に戦っても差はつかない。だから対戦相手はあの手この手で相手を揺さぶるし、選手に揺さぶりをかけるようなルールが付加されることもある。そのトリッキーさ加減と、心理描写の妙で、読者を惹き付けていくということだろう。