石田スイ『東京喰種トーキョーグール:re』10巻

東京喰種トーキョーグール:re 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

東京喰種トーキョーグール:re 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

このところあまりにも人が死に過ぎるので、久々に1巻から通しで(といっても:「re」からだが)読んでみた。

涙が、溢れた……。

相変わらずハチャメチャにストーリーが進み、とにかく人間や喰種が死にまくっているだけのように思えるが、改めて読むと皆その時と場所で必死に生きているに過ぎない。この世界に善人や悪人というものが果たして存在するのだろうか? 思いの「強さ」と「歪み」はある。一部の人の心には善を為したいという心も。しかしそれ以外にあるのは思いの連鎖だけである。そしてその思いの多くは「恨み」なのだ。なんと悲しい世界だろうか。

さて、当初の主要キャラクターが多くが死んでしまい、CGCも組織としてはもはや「ギリギリ」というところである。そろそろエンディングが近づいてきたように思うが、ここまで先の読めない物語は珍しい。どこに着地するのか? 主人公が望む、人間と喰種がわかりあえる世界……まさかね? 本当に見られるなら、わたしも見てみたい。