日本橋ヨヲコ『少女ファイト』14巻

少女ファイト(14) (イブニングコミックス)

少女ファイト(14) (イブニングコミックス)

ちょっと迷走しているなあ。

ストーリーというより、魅せ方が迷走している。

理由は明白で、作者はこの作品に大変な思い入れをもって描いている。臆面もなく「私は私の作品が大好きで、作中の登場人物も一人残らず大好きなのだ!」と言えるところは作者の強みでもあるわけだが、現状、敵や端役もいきなり主役級の扱いで登場して、敵チームの登場人物の細かな性格や人間関係が描かれる。しかしそれが冗長さを生んでいる。読者が読みたいのはあくまでも主人公側の機微や人間関係であり、彼女たちの成長なのである。葛藤を乗り越え、一皮むけてほしいのだが、敵チームについてそれを求めていないのである。

主人公の先輩たち(2年生トリオ)に至っては、普通に考えて1年生よりも実力があって然るべきであるのに、とにかく影が薄い。もうちょっと活躍させてほしいのだが。