吉田丸悠『大上さん、だだ漏れです。』2巻

大上さん、だだ漏れです。(2) (アフタヌーンコミックス)

大上さん、だだ漏れです。(2) (アフタヌーンコミックス)

毎日毎日エロいことを妄想し続けている女子高生と、体の一部分が触れると相手が意図せず本音を口走ってしまうという謎属性を持った男子高校生。ということは、2人が手を握ったりすると、女子高生が「ちんこ舐めたい」だの「におい嗅ぎたい」だのといった卒倒モノの言葉を口走ってしまう……というラブコメ。まあ本音が見えるという設定だから、お互いがお互いを意識している今、付き合わないのはかえってリアリティがない。ということで、2巻で早くも付き合うことになりました。ただし付き合うことになってもこの設定の面白さは色々と活かせそうなので、3巻以降も楽しませてもらえそうではある。

ヒロインの、絶妙な「一般ピープル感」が良いんだよね。不細工ではないし可愛らしいのだが、特段の美人ではない。いわゆる十人並みという感覚が、きちんとビジュアルで表現されている。これはけっこう難しい。例えば、モテないキャラや不細工キャラでありながらかなりの美形であるという矛盾は、テレビドラマでも漫画でもよくあることである。あるいは、それを逆手に取った『俺物語!!』という作品もあったが、あれは主人公のガタイが良すぎるだけで、不細工では全然なかった。その意味では、本作のヒロインの「ちょうど良さ」というのは特筆すべき技術というか、キャラクターデザインの勝利というか。事実、脇役のクラスメートの女子の方が美形に描かれている。