- 作者: 白浜鴎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/08/23
- メディア: Kindle版
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さて、魔法使いに憧れていた主人公の少女・ココは、ある日たまたま村にやってきた魔法使い・キーフリーが魔法を使うところ、すなわち魔法陣を描くところを盗み見てしまう。しかもココは以前、たまたま(実はこれも大いなる伏線なのだが)それとは知らず道端に座る物売りからインクと「魔法の絵本」なる魔法陣の書かれた書物を手に入れていた。そしてココは興味本位で、魔法陣の模写を始めてしまうのである。それが他人を石に変えてしまう禁断の魔法陣だとは知らずに……。
そしてココは母親を石に変えてしまうのである。
秘密を知ったココは本来、記憶を消されてしまう運命である。しかし「魔法の絵本」に興味を持ったキーフリーの思惑で、幸運にも記憶を消されることを免れる。
そしてキーフリーの下で魔法を学び、母親を元に戻す魔法を探すことになる。実に皮肉な形で、ココは憧れの魔法使いになるのである。
本作を一言で書けば、いわゆる王道ファンタジーであり、
何十回と読み返し、やっと感想を書こうとしたら、いつの間にか3巻が出てた。
それぐらい最高の作品。
なお白浜鴎は絵柄も最高である。「小説家における文体」に該当するものが、「漫画家における絵柄」だとわたしは思う。デッサンが上手けりゃ良いってものではない。しかし基本的な画力は高い方が良い。その方が、漫画家の描きたい漫画に合った絵柄にすることができるし、絵によって表現できることも増えていく。この人は漫画家としての基礎体力というかポテンシャルが凄い。