高野ひと深『私の少年』1〜4巻

スポーツ用品メーカーで勤務する30歳のOLが、12歳の小学生男子と出会って……というショタコンな感じが嫌で、評判になっているのを知りながら避けてきた。しかしたまたま1話だけ公式サイトで読んでみて、面白そうだなというので1巻だけ買って、そこからは怒涛の勢いで4巻まで購入。

ひとつ言っておきたいのは、これは小学生男子とどうこうする話では全然ないということ。というか恋愛感情ですらない。傷ついた二人の人間が、二人で肩を寄せ合って束の間、傷を癒やしたという物語である。しかし、そんなことが通る世の中ではない。傍目には、事案ですよ事案。これが男女逆転だったら、社会的にどれだけヤバいのかはわかってもらえると思う。12歳の小学生女子と30歳サラリーマンが、子供の親の許可もなく会って、「二人でいると傷が癒やされるんです、恋愛感情も性的欲求もゼロです」と言って、果たして30歳サラリーマンの主張がどの程度認められるかと言ったら、もう2chのまとめサイトで晒し上げられるのがオチである。

だけど、30歳のOLと12歳の小学生男子の心情に寄り添ったら……もうとにかくピュアなのである。少なくともこれは犯罪ではない。しかし社会は許さないだろう。

4巻では、彼らも成長して、30歳過ぎのOLと、中学生男子になった。これがどう影響するんだろうな。

というか、この物語がどこに着地するのか。幸せな結末など有り得るのか。

凄く気になる。