とよ田みのる『金剛寺さんは面倒臭い』1巻

金剛寺さんは面倒臭い(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

金剛寺さんは面倒臭い(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)

わたしがもう20年近く言い続けていることのひとつに、「とよ田みのるは漫画が巧い」ということがある。

デッサンが巧いのではない。漫画が巧いのだ。

漫画の巧さとは何か、一言で説明することは難しい。しかし漫画は総合芸術だ。そして漫画ならではの絵というものがある。漫画にはコマ割があり、吹き出しがあり、視座(カメラワーク)がある。これらを自覚的に操っているのが、とよ田みのるなのである。

この漫画も凄い。これまでの作品でも、漫画でしかやれないコマ割りやカメラワークには息を呑むしかなかったが、今回はモノローグまで自覚的に操りだした。確かに、このモノローグって奴は漫画に特有のものかもしれない。

凄い才能だ。