高浜寛『ニュクスの角灯』6巻

ニュクスの角灯 (6) (SPコミックス)

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角灯と書いてランタンと読む。角灯ランタン

「長崎とパリを舞台に描く明治アンティーク浪漫」というのはAmazonの作品紹介に書かれていた煽り文句そのままだが、こういうのを読むと、世界中を取り込んでなお「らしさ」を失わない日本の美というか美意識は凄いなと感心してしまう。平安、鎌倉、室町・戦国、江戸、明治、大正……と、その都度違っており、溜め息が出てしまう。といっても、これなんかは海外の人から見たら一括りで「ジャポニズム」なんだろうね。我々がヨーロッパの時代や地方の細かな区別がつかないように。わたしはとりわけ、明治・大正浪漫と呼ばれる日本文化と西欧文化が入り交じる感じが非常に好きで、この作品なんかは読むだけで眼福である。

……と、やや脱線したが、本作もこれで最終巻。途中、個人的には「誰が主人公なんだ?」と混乱するというか、どこに焦点を当てて読めば良いか迷うところがあったのだが、「この時代そのもの」を描いていたと思えば、それもまた頷けるアプローチである。

高浜寛という漫画家は非常に稀有だと思うので、また次の作品にも期待したい。

余談

本作を読んで、明治・大正に萌えちゃった方は、長田佳奈の『こうふく画報』と『つれづれ花譚』を読みましょう。

こうふく画報 (主任がゆく!スペシャル)

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つれづれ花譚 【かきおろし漫画付】 (主任がゆく!スペシャル)

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あとは、極私的名作『日本のファッション 明治・大正・昭和・平成』だね。

日本のファッション 明治・大正・昭和・平成

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新装改訂版 日本のファッション (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ)

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  • 作者: 城一夫(共立女子短期大学名誉教授),渡辺直樹
  • 出版社/メーカー: 青幻舎
  • 発売日: 2014/03/03
  • メディア: ペーパーバック
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