阿刀田高『ホメロスを楽しむために』

内容は例によって古典鑑賞読本というか教養エッセイというか。ギリシャ詩人ホメロスが書いたとされる『イリアス』と『オデュッセイア』をわかりやすく、かつ面白く解説している。毎度のことながらギリシャ神話の神々は実にチャランポランだ。何かしらセックスのことばかり考えているし、トロイア戦争なんて「ちょっと人間が増えすぎたなあ、よっしゃ戦争でも起こすか」って気楽さだ。そして勝手に始めて片方に肩入れしたり、戦争が続きすぎたと思ったら勝手に終わらせようとしたり、自分勝手なこと甚だしい。まあ、それがギリシャ神話らしくて良いのかもしれないが……。