ポール・ストラザーン『90分でわかるオッペンハイマー』

オッペンハイマーは原爆を作り上げた人物なのだが、原爆を作ったことに誇りを持ちつつも原爆の危険性に危惧を抱く、という二律背反的な考えであったらしい。俺は広島出身なので、なかなか原爆というものをフラットに捉えることが難しい。原子力発電所の有益性は充分に理解しているつもりだが、原爆は……どうなんだろう。殺戮兵器に誇りを持つオッペンハイマーのメンタリティは、本書を読んでもやはりよくわからない。