キンバリー・ヤング『インターネット中毒』

俺はネット関連の本を探しては出来る限り読んでいるのだが、なかなかインターネットをアカデミックに(あるいは厳密に)論じている本は見つからない。「インターネットで生活はこう変わる!」みたいな本や「サルでもわかるインターネット」みたいな本は腐るほど本屋で見かけるのだが、特にネットユーザーやネット社会の本質を論じようとしている本は今まであまり見たことがない。あるいは、ほとんど誰も書いていないのかもしれない。本書も俺が求めていたのとは少し違っているのだが、まあ「ネット中毒」というのは俺の大きな問題意識の1つであるし、なかなか面白く読ませてもらった。

本書を読んで真っ先に思ったことは「俺はインターネット中毒だな!」ということである。もはや救いようがないほどインターネット中毒の症例に当てはまっている。そりゃあ確かに今までも自分でそれなりに自覚していたし、自分のことを「ネットジャンキー」などと呼んでいた。しかし「ネットジャンキー」なんてキャッチーに呼べるほど、インターネット中毒の中毒性の本質は生易しいものではない。本書を読むとそれがよくわかる。本当に、立派な中毒だ。