二木麻里+中山元『書くためのデジタル技法』

中山元は哲学者兼翻訳家で、フーコーの入門書や翻訳、フロイトやメルロ=ポンティの翻訳などに加え、哲学研究サイト「ポリロゴス」を主催し、インターネットを介した様々な手段で精力的に情報を発信している。中山元は俺が最近かなり気になっている人であるから、何も考えずに本書を買ってきた。二木麻里は、人文資料サイト「アリアドネ」を主催していることで有名で、やはり気になる人である。

本書の内容は、パソコン初心者向けに偏っているような印象。インターネット上での効率の良い情報の集め方や、ワードをツールとして便利に使い倒すための方法、といった内容にほとんど終始しているが、既にほとんど知っているスキルであった。その点では、はっきり言えば俺には必要のない本であった。ただ、本書には「研究や勉強やレポート書きに必要な情報をインターネット上で効率よく集める」ためのリンク集としての一面もあり、その点での価値は高い。日本語サイトも英語サイトも充実している。