村上龍『愛と幻想のファシズム(下)』

多くの人があまりに通俗的な設定を問題にしたがるだろうが、それを言っちゃうと村上龍の作品は大半が読めなくなるので、あえて横に置いておくことにしよう。それに、政治と独裁というテーマが20年を経て衰えるどころかリアリティを増してきたというのは、実際かなりスゴいと思う。村上龍に先見性があったのか、現実が陳腐なのか、俺にはよくわからないが。多分その両方なんだろうな。久々に読んだけど、個人的には非常に面白かった。そのチープさ加減も含めてね。