キャメル・ヤマモト『稼ぐ人・安い人・余る人』

この人もワトソンワイアットの人材・組織コンサルタント。これからは「稼ぐ人」「安い人」「余る人」とビジネスパーソンが三極化していくが、稼ぐ人になるには、まず稼ぐ人がどういう人なのかをきっちりと理解した上で、稼ぐ人に共通する7つの才を戦略的に伸ばしていくことと、成長できる「場」を設定することだ――といったアウトライン。「稼ぐ人」というのは相当ぶっちゃけた表現だが、要は淡輪敬三の言う「自律したプロフェッショナル人材」と同義なので、基本的な内容は『ビジネスマンプロ化宣言』とほぼ同じである。ただ、タイムマネジメントの話や上司との関係・英語学習法などの話が後半にある。

サラッと読み流すだけなら1日で充分だが、自らに引きつけて内容を噛みしめつつ読もうとすれば、1日では無理かもしれない。少なくとも俺は無理だった。内容も文体もわりと平易なんだけど、体系化されて順序立てて述べられている(論理的というよりは参考書的という印象)し、とにかく内容が盛りだくさんである。なお本書は文庫にもなっているため、安く抑えたい人は文庫版を購入されたし。