大前研一『やりたいことは全部やれ!』

人生は短いと言われるが、実は時間など余ってしまう。また、楽しみを先送りしたところで、その楽しみを後から楽しめるかどうかはわからない。また人生というのは、たとえ何度もオールクリアしたとしても、その度に新しくキャリアを作り出すことができる。だから、やりたいことは先に延ばさず全部やってこそ充実した人生を送ることができる――といった内容。「人生、寄り道・わき道・回り道」「人生を長く楽しく生きる極意」「経営者の素顔」「世界を知る」「旅に学ぶ」「愉快な仲間たち」「死ぬほど遊ぶ」「私のルール」「人生の収支決算」の順番に自らの経験則や友人との思い出などを語り、ほら、人生は何度もオールクリアできるんだよ、といった構成である。

大前研一のバイタリティには脱帽してしまうが、もちろん大前研一だからこそ人生を何度もオールクリアできるのであって、凡人が一度だって人生をオールクリアすることは難しいとは思う。でも、ざっくばらんにプライベートなことも書かれたエッセイで、なかなか面白いと思う。ちなみに大前研一は腕っぷしも強く、自衛隊隊員や防衛大学のラグビー部の人間とも何度も腕相撲をしたが、負けたことは一度もないそうだ。何かスゴくないところはないのか!