川上真史+齋藤亮三『できる人、採れてますか?』

ワトソンワイアットの人材・組織コンサルタントである川上真史(『会社を変える社員はどこにいるか』を書いている)と、ワトソンワイアットと組んでいるアトラクスという人材会社の齋藤亮三による共著。学歴や志望動機や雑談や化かし合いから判断する従来型面接では「できる人」は採用できないと言い、ワトソンワイアットのコンピテンシーアセスメント(BEI/探索インタビューなどとも呼ばれている)の手法を使ったコンピテンシー面接について詳しく述べている本である。

コンピテンシー面接とは、簡単に言えば、「何ができるか」「何を知っているか」「何がしたいか」ではなくて、「何をしたか」を問う面接手法である。つまり、成果を上げた過去の行動を詳しく見ていくことで、そうした過去の行動が再現性のあるものかどうか、将来的にも成果を上げることのできる人材かどうか、といったことを見極める手法である。詳しくは本書に譲るが、ワトソンワイアットのコンサルタントが書いた本の中でも、コンピテンシーアセスメントの進め方を詳しく書いている本なので、コンピテンシーアセスメントに興味のある方には(人事部の人以外でも)参考になると思う。あと、コンピテンシーとコンピテンシー・モデルの違いについての言及は、非常に参考になった。コンピテンシーという言葉は文脈が錯綜していて、書き手によって色々な意味合いで使われているため、俺も少し混同していた面があった。

興味のない人にはどうでも良いだろうが、個人的には必読。