藤原和博+重松清『[よのなか]教科書 国語――心に届く日本語』

今回も藤原和博の本。藤原和博と(最近かなり注目している小説家である)重松清のコラボレーションというのは、俺にとってはかなり嬉しい。

かつて国語の授業は「道徳教育」であった。道徳教育の重要性が減じているわけでは全然ないが、道徳教育を国語で行う必要は全然なくて、論理(学校教育においては感性も)を鍛えるということこそ国語の目的だと俺は思っていた。もちろん教育界のお偉方もそう感じているらしいが、学校の教科書を見る限り、プレゼンテーションやドキュメンテーションといったアウトプット力も、読解力や感受性といったインプット力も、それらがきちんと学べるような構成になっているようには思えない。そうした文脈で登場した本書の試みは(細かいところには不満もあるが)素晴らしい試みだと思う。オススメ。