B-ing編集部『プロ論。』

プロ論。

プロ論。

キャリアについての考え方を集めた本だが、非常に有名な人ばかりである。秋元康安西水丸石橋貴明井筒和幸糸井重里、今井彰、 おちまさと乙武洋匡金子勝香山リカカルロス・ゴーン北川正恭北村龍平木村剛邱永漢清宮克幸小谷真生子齋藤孝櫻井よしこ佐々淳行佐藤可士和笑福亭鶴瓶重松清、白石康次郎、鈴木光司高橋がなり高橋源一郎田原総一朗堤幸彦野口悠紀雄中島義道中村修二成毛眞野口健日比野克彦藤子不二雄A藤巻幸夫古舘伊知郎堀紘一三木谷浩史宮内義彦柳井正横山秀夫平尾誠二養老孟司松本大本宮ひろ志森島寛晃和田アキ子和田秀樹――いやあ、こりゃスゴい。
基本的には成功した人ばかりであり、「成功した後だから言えることだよな」と思わないでもないが、ビジネスマンから芸能人まで幅広くて面白いし、単純に読んだらモチベーションは上がる。なかなか良い本じゃないでしょうか。
どれもそれなりに面白かったのだが、個人的に最も気に入ったのは中島義道である。世の中には、不平等や偶然の力で人生が理不尽に左右されてしまうことがある。みんな心の中では知っていることだ。まずはそのことを認めなさい――と中島義道は説く。
そして(哲学学者ではなく)哲学者らしく、平易だけれど深みを持った言葉で人生を語るのである。

私は、目指すべきは成功や幸せではなく、豊かな人生だと思います。たくさんの失敗や苦しみは、濃密な人生の重要な要素になるんですよ。

豊かな、濃密な人生を目指す――という発想は、成功や幸せといった「あるべき論」の縛りから解放してくれるという意味では、俺には、とても惹かれるものがある。