日本経済新聞社『働くということ』

働くということ

働くということ

「働く」ということは、現在とても多様化しており、今後もどんどん多様化していくだろう。そして、その変化・多様化は、『知識創造のワークスタイル』で論じられた技術やスタイルとしての変化だけではなく、もっと働く者の意識に関わるものであると思う。
親の職業を継ぐことが当たり前だった時代、大企業に入れば幸せが保証された(少なくとも保証されたと思われていた)時代――それが幸せだったのか不幸せだったのかはよくわからないけれど、そんな時代はもうおそらく戻っては来ないだろう。フリーターどころかホームレスとしてでも何とか食べていける時代、俺を含めて、1人1人が働くことの意味を問い続ける必要のある時代なのである。
本書は新聞の記事をまとめたものであり、個々のトピックは短くて深みに欠ける。ただ、俺らのようなサラリーマンを「働くということとは?」と改めて内省に誘うくらいのチカラは持っている本だと思う。年寄りがどう感じるかは知らないが、若手ビジネスマンやフリーターニートなどにとっては、読む価値があると思う。