あべまさい『おかあさまのためのコーチング』

おかあさまのためのコーチング

おかあさまのためのコーチング

子育てとコーチングの両方をテーマとしているが、「素晴らしい子育てママがコーチングでもっと素晴らしい子育てをやりました!」的な、いかにもな本ではない。
例えば、不注意で怪我をした娘に、「ほら、だから注意しなさいっていつも言ってるでしょ!」と怒り、「おかんのせいで怪我したなんて別に言うてへんのに、何でそんなに怒られなアカンねん!」と娘を傷つけたり。
例えば、口癖のように「宿題した?」と娘に聞いているうちに、宿題をやっていても、やっていなくても、「もうやったわ!」「今からやるとこじゃボケ!」と娘の神経を必要以上に逆撫でしたり。
身に覚えのあるエピソードなので、つい俺の地元の関西弁で書いてしまったが、著者は、そんな失敗も踏まえつつ、コーチング的な視点を子育てに盛り込むことで、少しでも親子がハッピーに生きられるよう模索している。単純なコーチング本としても読めるが、なかなか奥が深くて面白い。等身大の、あったかい本です。