越純一郎『プライベート・エクイティ』

プライベート・エクイティ―急拡大する未公開株式投資の世界

プライベート・エクイティ―急拡大する未公開株式投資の世界

プライベート・エクイティとは、広義では未公開企業への投資のことである。しかし主にアーリーステージ(起業して間もない時期)の企業投資を行うベンチャーキャピタルと、ある程度の事業基盤を持っている企業に対する投資では、その手法や考え方も自ずと異なってくる。そのため本書では、ベンチャーキャピタルを除いた未公開企業への投資を「(狭義の)プライベート・エクイティ」と定義し、論じている。
プライベート・エクイティの概要、必要性、考え方、手法、米国の状況、日本の状況、メジャープレーヤーの分析、ケーススタディ、法務面からの分析……と、非常に包括的にプライベート・エクイティの問題を取り上げてくれている。また補論も実務のイメージを際立たせるために有効だと感じる。まだ類書を読んだことがないので比較はできないが、プライベート・エクイティのことを知りたい方には、非常に良い本ではないだろうか。