いしいしんじ『ぶらんこ乗り』

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

ぶらんこ乗り (新潮文庫)

「私」には、ぶらんこが上手で、指を鳴らすのも上手で、頭もスゲー良くて、おまけに文才もあって、物語作りの名人で、でもあることから声を失って……という(ぜんぜん感情移入できない設定の)「弟」がいる。そんな「弟」の、古いノートをふと見つけたことにより、懐かしくて、温かくて、切ない、昔のことが思い出され――といった導入部分だろうか。本屋で大絶賛されていたが、弟の能力がスゴすぎて感情移入できねー。