重松清『ビタミンF』

ビタミンF (新潮文庫)

ビタミンF (新潮文庫)

重松清は「家族」や「父親」「郊外型ニュータウン」といったモチーフを扱うことが多い作家だが、37、38歳の中年に差し掛かった年代の男を主人公に据えた作品が非常に多い。本書でも、この世代の主人公が多い。直木賞も受賞している傑作短編集だが、もうどこを取っても重松清で、どこを取っても巧い。