重松清『口笛吹いて』

口笛吹いて (文春文庫)

口笛吹いて (文春文庫)

表題作「口笛吹いて」は、子どもの頃のヒーローと偶然再会した主人公を描く。プロ野球選手になるとすら思われたヒーローは、高校で故障してしまい、その後負け続けの人生を歩んでいた。子どもの頃のように胸を張って口笛を吹いてほしいと思った主人公は、息子の野球チームの代理監督を頼む――といったアウトライン。もう、いつもながらに重松節。素晴らしい。高度安定で言うことなしの短編集。