斎藤環『戦闘美少女の精神分析』

戦闘美少女の精神分析

戦闘美少女の精神分析

オタクとセクシュアリティの関係を執拗に論じている本。これは非常に重要な視点だと俺も思うので、セクシュアリティの問題を読み込むことを故意に忌避した東浩紀のオタク解読本よりは現象を捉えているように思う。
ただ、特別に小難しいわけではないが、アニメ関係の固有名詞がどんどん出てくるので、アニメに詳しくない人はちょっと辛いかも。少なくとも俺は辛かった。
俺は市販の漫画はけっこう読み込んでいるけれども、同人誌の類は買ったことも作ったこともないし、オフ会やコミケといった類のコミュニティに参加したこともないし、セーラームーンなどの戦闘美少女のアニメ絵で抜いたこともないのだ。本書で挙げられた「オタク」の定義に照らし合わせると、その意味で俺はオタクではなかったらしい。