杉山尚子『行動分析学入門』

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学という興味深い学問を紹介した入門書。扉には以下のような説明がある。

行動分析学は、ヒト及び動物の行動を「行動随伴性」という独自の概念によって明らかにするもので、行動の原因を個体内部、つまり心ではなく、個体を取り巻く外的環境に求めていく。

簡単に言えば、ある子どもが宿題をしないことを「ヤル気がない」といった「心」の問題で捉えず、「子どもが宿題をしないような何かの要因が子どもの周囲の環境にあるのではないか?」といった発想から、行動を読み解こうとする学問である。心ではなく、環境と行動との関係を読み解こうとする点は、社会学とも発想が似ている気がする。