中央青山PwCコンサルティング株式会社『経理・財務・人事アウトソーシング・マニュアル』

「餅は餅屋に」じゃないが、最近はアウトソーシング/BPOを積極的・戦略的に活用する企業が増えているようだ。特に、定型業務やシステムによる効率化が図れる業務は、アウトソーシングサービスを採用する場面が多い。本書では、アウトソーシングに関して、メリット・デメリットを含め、詳細に解説している。

アウトソーシングはいわゆる「業務委託」の一形態であるが、本書ではアウトソーシングの区分を、「業務の企画・設計」と「業務の運営」の対応の違いによってマトリックス化している。図を載せるのはブログの性質上ちょっと難しいが、なかなかわかりやすい区分なので、紹介したい。

  • アウトソーシング……「業務の企画・設計」も「業務の運営」も行う
  • コンサルティング……「業務の企画・設計」のみ行い、「業務の運営」は行わない
  • 請負・外注……「業務の企画・設計」は行わず、「業務の運営」のみ行う
  • 人材派遣……「業務の企画・設計」も「業務の運営」も行わず、あくまでも会社の指示に従って業務を行う

「業務の企画・設計」も「業務の運営」も任せるアウトソーシングサービスを採用するかどうか、そしてどう使っていくかは、会社の戦略上とても重要な選択である。会社のコア領域にリソースを集中投下するためにも、管理部門の幾つかをアウトソースすることは、個人的には悪くない選択だと考える。しかしコストメリットだけを追い求めたりアウトソーサーに任せっきりになったりすると、後々とんでもないことになりかねない。アウトソーシングが戦略的と言われる所以であろう。