荒俣宏『帝都物語外伝 機関(からくり)童子』

350万部も売り上げた、言わずと知れた大ベストセラーシリーズの外伝。
とある東京郊外の精神病院の患者たちが奇怪な「からくり芝居」を催し始めた。しかも彼らは何と「加藤保憲」という魔人を復活させようとしているようだ! この奇怪な儀式を医師・高山利郎は独自に調査し始めるが、その結果、この儀式の登場人物や世界観が『帝都物語』という物語と告示していることに気づく。そして架空であるはずの『帝都物語』の登場人物・加藤保憲が、実は実在したのではないかと疑い始める――というメタフィクションめいた外伝。あらかじめ本編を読まなければ面白さは理解できないだろうが、何とも奇怪な異形の物語。目が離せない。
ちなみに本書には、『帝都物語』シリーズ本編に出てきた風水師・黒田茂丸の孫、黒田龍人が登場する。もちろん『シム・フースイ』シリーズの主人公でもある。アラマタファンには嬉しい計らい。