大前研一『私はこうして発想する』

私はこうして発想する

私はこうして発想する

大前研一の本は、大きく「自己啓発・論理思考」「地域国家論などの理論書」「自分の勉強の成果をまとめたもの」「その他」の4つに分けられると思う。1点目は本書など非常に多くの本があり、2点目は『新・資本論』や『経営参謀』などが有名で、他に一新塾などをベースにした政治提言もある。3点目は『チャイナ・インパクト』や『東欧チャンス』などが挙げられるだろうか。
本書は前述の通り「自己啓発」に分類されるが、大前研一自己啓発書の内容は(本書を含め)基本的には変わっていない。自慢話が多いところも相変わらず変わっていない。内容が大して変わらないのに大前研一自己啓発書をせっせと図書館で借りるのは、自慢話が読みたいのも一部あるが、大前研一の論調が今後ガラッと変わったら面白いなあと勝手に思っている、というのが大きい。「ロジカルシンキングなんて要らないですね」とか(笑) まあさすがにこれは大げさにしても、御大も(全く見えないが)60歳を超えた。2%くらいの確率で枯れた味わいが出てくるんじゃないかと勝手にほくそ笑みながら追いかけている次第。
ちなみに本書では、大前研一通信制MBA(ビジネス・ブレークスルー大学院大学)のことが少し詳しく紹介されていたが、これは受けてみたい。掲示板ベースでの密度の濃い議論など、非常に興味深い。