- 作者: 中野シズカ
- 出版社/メーカー: 青林工芸舎
- 発売日: 2004/07
- メディア: コミック
- 購入: 4人 クリック: 5回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
どれもこれも面白いが、個人的には「エトワール」を大推薦。青年が夜道を歩いていると、ハンマーでいきなり頭を殴られる! しかし衝撃の割には痛くもないし怪我もない。この特許申請中ハンマーは、どうやら殴られた人の資質や才能を綺麗な星(エトワール)に結晶化させることができる特殊なハンマーらしい。青年は、「研究」と称してハンマーで自分を殴打した学者先生と一緒に、なし崩し的に道行く人の星(エトワール)集めに協力する――といったアウトライン。これは今までに読んだ漫画の中でも屈指の美しさを持った短編。
他にも、赤と黒の二色刷の巻頭作「The catcher in the chocolate」や表題作「刺星」、まるで香りが読み手にまで漂ってくるような「シナモン」など、読み応えのある作品ばかりである。「The catcher in the chocolate」などは、二色刷といっても、スクリーントーンの効果で無限とも思えるほどの色彩感を持っている。量産しづらい作風であろうが、早く新しい作品を読んでみたい漫画家である。