村上春樹+友沢ミミヨ『またたび浴びたタマ』

またたび浴びたタマ

またたび浴びたタマ

書名でおわかりだと思うが、回文である。「わたしまけましたわ」の回文である。村上春樹が正月を費やして「あ」から「わ」まで作った脱力全開の回文が、友沢ミミヨの脱力全開なイラストと共に載り、1ページの解説というかコメントが載っている――という構成。俺が特に気に入ったのは、下の3つである。

しらぬことてつだつてとこぬらし
(知らぬことてつだって、床濡らし)

らたいがしぶいぶしがいたら
(裸体が渋い武士がいたら)

わしのいがいなないがいのしわ
(わしの意外な、内外のしわ)

知らぬこと手伝って床濡らし……何だか妄想パワー全開になりますなあ。どこ濡らしてんだよオイ……なんてね。ワシの意外な内外のシワを見せちゃるけえ、な? ってなもんです。意味不明な上に、わりと下ネタっぽいものが3つチョイスされたが、別に下ネタを狙ったわけではない。