C・V・オールズバーグ+村上春樹『西風号の遭難』

西風号の遭難 (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

西風号の遭難 (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

ある旅人が、旅の途中で、崖の上に横たわるヨットの残骸を発見する。普通では、到底こんなところまでヨットが打ち上げられることはない、そんな場所である。そして、その傍らでパイプをくゆらせていた老人が、そのヨットにまつわる不思議な話を語り始める――といったアウトライン。静かでとても巧い絵である。村上春樹の抑え気味の翻訳も、絵のトーンに合っている。