『プラネテス 8』

プラネテス 8 [DVD]

プラネテス 8 [DVD]

幸村誠週刊モーニングに不定期連載したSF漫画『プラネテス』のテレビアニメ版のDVD。原作となる漫画版とアニメ版の双方が星雲賞を受賞するなど、作品としての評価は非常に高いが、まだまだその存在が周知されているとは言えない。もっともっと、みんなに観てほしい(読んでほしい)作品である。
第8巻では、以下のエピソードを収録している。

#21 タンデム・ミラー
#22 暴露
#23 デブリの群れ

他の全てを犠牲にしてでも木星往還船フォン・ブラウン号の乗組員試験に合格することを誓ったハチマキは、会社も辞め、人間関係も断ち切り、一切の退路を断つ。そのことでハチマキは命がけの人間にしか出せない凄みのあるオーラをまとい始めるが、夢のために人間味を捨て去ったハチマキの姿にタナベは戸惑う。中盤でハチマキとタナベの恋が実って、原作とは違う展開で面白いと思う反面「あっけないな」とも思ったものだが、この図式は面白いね。
アニメ版は、原作(漫画版)では数あるエピソードの1つに過ぎなかった宇宙防衛戦線のエピソードをクライマックスに持ってきているが、アニメ映えのするアクションシーンも多く、またクレアやチェンシンやギガルトといったオリジナルキャラクターが非常に良い味を出していて、猛烈に面白い。非常に良い選択だったと思う。しかしアレだ、タナベの隣人・ニンジャ隊や世界連合議長のドラ息子・コリンのエピソードは、単なる箸休めエピソードだと思っていた(そして正直に言って強度の低い無駄なエピソードだと思っていた)が、意外や意外、物語に深みを与える強烈なスパイスに昇華していた。素晴らしいアニメだ。