- 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
- 発売日: 2006/06/23
- メディア: DVD
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DVD第3巻には以下のエピソードを収録している。
#5「キッスで殺せ! 死の接吻は甘かったかも?」
#6「恋の時効は2月14日であるか否かはあなた次第」
第6話は特別な話である。第6話は、本作では初めて(というか唯一)時効以前の事件にスポットが当てられているのである。霧山や三日月が働く総武署では、15年前の2月14日に夫を刺し殺した上、整形して逃亡している事件の時効成立が残り4日と6時間になり、捜査に全力を尽くしている。けれど、みんな諦め気味で、霧山の趣味が増えるなと話している始末。一方、霧山はニュース番組で、時効を迎えた別件の被害者の母親が「時効」に対する無念を訴える姿を見て心が痛み、趣味の時効事件捜査に嫌気がさしてしまう――というプロローグである。もちろんコメディー要素はたっぷりあるが、ちょっとしんみりする話もあり、なかなかスパイスの効いた構成となっている。
一方、第5話は激烈なほどにコメディー全開。15年前に(明らかに長渕剛を思わせる)ロック歌手・本郷高志(乃木涼介)が殺された事件を趣味で捜査することにした霧山。長渕、いや本郷高志は死後15年を経ても熱烈なファンの存在するカリスマ的歌手であったが、ホテルでタレント仲間と王様ゲームをして、タレントの卵とキスをしている瞬間に死んでしまう。当然キスをしたタレントの卵が疑われるが、動機もなく、毒物が発見されたわけではないので殺害方法も不明。一方、動機の面で疑われたのは、現在は開業医を営む妻の本郷雪絵(奥菜恵)である。彼女は女医の卵であった大学生のときに本郷高志と結婚して話題を呼んだが、結婚後も一向に浮気が治らず、不満を募らせていた。しかも本郷高志が死んだのは結婚記念日。結婚記念日に自宅に戻らずホテルで王様ゲームをしているのだから、妻の殺す動機はバッチリだが、当日は完璧なアリバイがある。アリバイを証明したのは、本郷を崇拝する付き人の及川正義(東幹久)である。及川は嘘をつくような人間ではなく、また崇拝する本郷を殺す人間を庇うことはあり得ない。結局、犯人も殺害方法も不明のまま時効を迎えた――というアウトライン。
この事件は「キスがどうやって殺人に結びついたか」というオチが実に下らない。面白すぎる結末となっている。しんみりする第6話とのコントラストも抜群で、かなり笑わせてもらった。