『NEON GENESIS EVANGELION vol.02』

NEON GENESIS EVANGELION vol.02 [DVD]

NEON GENESIS EVANGELION vol.02 [DVD]

TVシリーズで大人気を博した『新世紀エヴァンゲリオン(通称エヴァ)』のDVD版。母親に死なれた上に父親にも捨てられ、他人と深く関わり合いを持つこともなく周りに流されて生きていた主人公・碇シンジは、突然、特務機関ネルフの司令を務める父親・碇ゲンドウに呼び出され、エヴァに乗って使徒と戦うことになる。決して望んだ戦いではないわけだが、必ずしも流されるばかりでもなく、少しずつ自分の殻を破ろうと苦闘する。学校やネルフには友達や仲間もできた。しかし同時に凄惨な光景の続く毎日にシンジの心は確実に傷つけられていく――というアウトラインだろうか。
DVD第2巻には以下のエピソードを収録している。

第伍話 レイ、心のむこうに Rei I
第六話 決戦、第三新東京市 Rei ll
第七話 人の造りしもの A HUMAN WORK
第八話 アスカ、来日 ASUKA STRIKES!

第伍話と第六話は綾波レイにスポットを当てた回である。ネルフ(あるいは父親・あるいは使徒との戦い)から逃げ出したシンジだが、結局は元の鞘に納まる。しかし実の息子である自分よりも父親に近いところにいる謎めいた少女・綾波レイに興味を持つ――という感じであろうか。
第六話のラストは、エヴァンゲリオンの中で俺が最も好きなシーンがある。詳細な経緯は省くも、要はレイの乗ったエヴァが大破してしまうのである。シンジは慌てて駆け寄るが、レイは何とか無事であった。安心したシンジは泣き出してしまう。しかしシンジよりもさらに他人との付き合いというものが希薄であったレイは、自分のために泣くシンジに対して戸惑ってしまう。

綾波レイ「ごめんなさい、こういうときどんな顔をすればいいのかわからないの」
碇シンジ「笑えばいいと思うよ」

そして少女は初めてにっこりと微笑む――。
感動。個人的には明らかに前半部分のハイライトである。ぎこちないような、それでいてナチュラルなような、滲み出るような微笑み。