『巌窟王』11巻

巌窟王 第11巻 [DVD]

アレクサンドル・デュマの小説『モンテ・クリスト伯』を原作とする深夜アニメ。元々は『モンテ・クリスト伯』をモチーフとするSF小説『虎よ、虎よ』をアニメ化しようとしていたそうだが、著作権の関係で実現せず、『モンテ・クリスト伯』をアニメ化したらしい。そのためか、細部まで原作に忠実にアニメ化しているわけではない。19世紀のパリではなく幻想的な未来のパリが舞台である点、復讐する側ではなく復讐される側の子どもたちの視点から話を構成している点など、原作を活かしつつも（かなり）大胆な構成の組み換えが行われている。原作とはまた異なった彩りが本作にはあり、原作を読んだ者も読んでいない者も楽しめると思われる。
DVD第11巻には以下のエピソードを収録している。

第二十一幕「貴公子の正体」
第二十二幕「逆襲」

復讐鬼としての素顔をアルベールに見せつけたモンテ・クリスト伯爵の復讐は、順調に、そして冷徹に行われていく。軍の世界で将軍まで上り詰めたアルベールの父親・フェルナン、パリ有数の大銀行の頭取を務めるユージェニーの父親・ダングラール、司法の世界で主席判事まで上り詰めたヴァランティーヌの父親・ヴィルフォール――パリ有数の名士である3人は、自分たちが過去に犯してきた暗部を暴かれ、復讐の餌食となっていくのである。どこに物語が落ち着くのか、わかるようでわからない。ラストは、もうすぐ。