鶴田謙二 他『日本ふるさと沈没』

日本ふるさと沈没―ORIGINAL COMIC ANTHOLOGY (ANIMAGE COMICS SPECIAL)

日本ふるさと沈没―ORIGINAL COMIC ANTHOLOGY (ANIMAGE COMICS SPECIAL)

映画化もされた小松左京の代表的SF小説日本沈没』をテーマあるいはモチーフに、著者公認で描かれたトリビュート漫画作品集。参画した漫画は以下の21人。

【北海道】吾妻ひでおあさりよしとお唐沢なをき
【東北】遠藤浩輝
【関東】西島大介伊藤伸平
【北陸/甲信越米村孝一郎
【東海】鶴田謙二恋緒みなと
【近畿】ひさうちみちおトニーたけざき、空ヲ
【中国】いしいひさいち寺田克也TONO
【四国】宮尾岳
【九州】安永航一郎ヒロモト森一幸田朋弘
【沖縄】ロマのフ比嘉
【全国】とり・みき

俺が読んだことのある漫画家は、吾妻ひでおあさりよしとお唐沢なをき遠藤浩輝西島大介鶴田謙二恋緒みなとひさうちみちおトニーたけざきいしいひさいち寺田克也宮尾岳ヒロモト森一とり・みきの14人。マニアックな漫画かも多いけれど、わかる人にはかなりキューンとなるセレクトである。短い漫画が多いけれど、もっとじっくり腰を据えて読みたい漫画家が多い。
それにしても、最近どうも大地震・大震災をテーマとした漫画(あるいはそれに類する災害サバイバルモノの漫画)が異常に多いように思う。今すぐ思いつく漫画だけでも、古屋兎丸『彼女を守る51の方法』、一色登希彦日本沈没』、高嶋哲夫+八坂考訓『アニマート』、琴義弓介『ナエガユル』とあるし、ちょっと古いが、かわぐちかいじ太陽の黙示録』も地震をきっかけとした漫画である。
一色登希彦小松左京の『日本沈没』を原作としているそうだが、他が全て小松左京トリビュートというわけでもないだろう。阪神大震災から10年を経て、ある程度の冷静さで自信をテーマに描けるようになったということなのだろうか。それとも何か他の理由が? ここまで様々な出版社で同時多発的に執筆されると、何やら地震が現実化してしまうような、異様な怖さがある。