情況出版編集部『社会学理論の<可能性>を読む』

社会学理論の“可能性”を読む

社会学理論の“可能性”を読む

かなりゴリゴリの社会学理論を集めた論文集。発売直後に読了していたのだが、感想を書き忘れていた。現在蔵書の整理をしているため、感想を書こうとパラパラめくってみて……改めて驚いた。何を言いたいのか全然ワカンネ。もうアカデミズムへの未練は断ち切っているのでショックはないが、昔の俺はこんなものを読んで何を読み取り、何を理解していたつもりになっていたのだろうか。この種の本を読んでいたときに感じていた(つもりになっていた)理論から溢れ出る現実社会への切迫感が今となっては何ら感じられなくなった。5年前であれば何かもっと生産的な感想が書けたのだろうか。これを「成長」と呼ぶのか「卒業」と呼ぶのか「変質」と呼ぶのか「思想的怠惰」と呼ぶのかよくわからないけれど、本書は潔く処分しよう。