茂木大輔『くわしっく名曲ガイド』

くわしっく名曲ガイド

くわしっく名曲ガイド

前日に引き続き本書も図書館で借りてきた。そういえば先日本屋に行ったとき、茂木大輔のPOPに「のだめカンタービレで……」と書かれていたけれど、『のだめカンタービレ』と茂木大輔って何か関係あったかな。
まあ内容としては、初心者が理解するには全体的に解説が短く、初心者が「この曲を聴いてみたいな」と思うような魅力が圧倒的に不足している。特に星座・血液型別の紹介という企画が良くない。

ふたご座生まれ
活発で、いたずら好きのあなたには笑いの多いオペレッタ、オペラ・ブッファ(喜歌劇)の作曲家を。
A型のあなたに似合うのは→スッペ
オペレッタといえばこの人。今では明快で楽しい序曲だけが絶大な人気を誇っている。
軽騎兵」序曲

などと言われても「そもそもスッペって誰?」という感じである。元々クラシック音楽に詳しい人は楽しめるかもしれないが、これでは初心者はちっとも楽しめない。
ところで中川右介『3時間でわかる「クラシック音楽」入門』では、ハイドンを「とりあえず聴かなくてもいい」と切り捨て、「マタイ受難曲」もキリスト教の知識がないとわからない曲だと述べている。一方、本書ではハイドンと「マタイ受難曲」にそれぞれ1章ずつを費やして魅力を語っている。特に初心者に向けたアート方面のレビューの難しさを再認識させられる。