- 作者: 波頭亮
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/11/07
- メディア: 新書
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先輩から推薦されて読んでみたが、「原論」と書くだけあって著者の挙げるプロフェッショナルの条件はなかなか厳しいものだ。ストイックあるいは求道的とすら言えるスタンスだが、興味深いものも多い。特に「値引きはしない」「成功報酬の禁止」といった要件などは「なるほど!」と目から鱗であった。成功したらお金をくださいというのは一見クライアントに対して良心的であるようにも見えるが、確かに考えようによっては無責任だし、商業主義的な卑しさもある。プロフェッショナルに仕事を頼むクライアントは切羽詰まっていることも多く、その切迫感を逆手に取り「手術に成功したらお金を3倍ください」と言うような姿勢は問題を孕んでいると著者は指摘するのである。また著者は「クライアントからの依頼に対して、上手く行ったら良いけれどダメだったらゴメンナサイといった安易な姿勢では決して仕事を引き受けてはならない」と強く述べている。厳しいが、その通りだろうと俺も感じた。実際は上手く行く仕事ばかりでもないが、これは職業倫理と覚悟の問題なのである。