山田政弘『エッジ・ワーキング』

エッジ・ワーキング (ソフトバンクビジネス)

エッジ・ワーキング (ソフトバンクビジネス)

「成果を出し、かつユニークな存在になる」ことを著者は「エッジ」という言葉で表現し、そのための基本的なテクニックや会社での振る舞い方について述べている。著者は、大手金融機関、IT企業、大手外資コンサルティング会社戦略コンサルタントを経て、IR/PRサービスやスポーツマネジメント事業を手がける会社を立ち上げた人物だとのこと。著者のことは今まで知らなかったが、何と言うか、絵に描いたような「流行のキャリア」だなあ。まあ流行に乗れるということは凄いからだろうけれども。
著者の基本スタンスは「メールの振り分けやメールの件名・手帳の使い方・アプリケーションのショートカットテクニックなど、作業効率や品質に対する細かな気遣いが、仕事のクオリティに大きく影響する」というものだろう。確かに言うとおりだと思うし、自分を振り返って反省したところもある。プレゼンの図やグラフを作る際のコツも参考になった。
ただ、細かいところに気をつけるよう著者は散々言っているが、実に残念なことに、本書のところどころに誤植がある。著者の責か編集者の責か植字工の責かよくわからないけれど、特にP119の最下段の誤植は呆れるほどのダサさなので、増刷することがあれば修正した方が良いと思う。本の中では、共同作業でプレゼン資料のフォントを間違えたら左遷どころか退職勧告、と書いていたように思うが、読者は共同作業者ではないけれど、クライアントである。著者や編集者は本を作る際にチェックしていないのだろうか。