- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1992/10
- メディア: コミック
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この巻には以下のエピソードが収録されている。
ART.1 贋作画廊(ギャラリーフェイク)
ART.2 傷ついた「ひまわり」(前編)
傷ついた「ひまわり」(後編)
ART.3 北斎の市
ART.4 孤高の青
ART.5 触覚の絆
ART.6 13人目のクーリエ
ART.7 落とすのは誰だ!?
ART.8 消えた黄金仏
ART.9 影武者の宴
全32巻を通して常に安定して面白い作品なのだが、第1巻のプロットの完成度の高さは圧倒的なほどである。「贋作画廊(ギャラリーフェイク)」では、日本の美術業界の現実と主人公・藤田玲司のビジネスや人となりがわかるエピソードが提示される。前後編となる「傷ついた『ひまわり』」は、ヒロインであるサラ・ハリファの登場エピソード。「北斎の市」ではアートの持つコマーシャリズムの側面を抉り出す。「孤高の青」はフジタの父親をめぐるエピソード。「13人目のクーリエ」では美を守るために法律や常識とも対決するフジタの強い意志が描かれ、「落とすのは誰だ!?」ではフジタがメトロポリタンを追われ贋作画廊に身をやつす原因となった事件が明らかにされ、その過去に決着をつける。この10回弱のプロットは、まさに完璧である。
なお、高田美術館の三田村館長や国際的な美術窃盗団のボスであるカルロスといった主要キャラが第1巻で初登場する。