- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2001/09
- メディア: コミック
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この巻には以下のエピソードが収録されている。
ART.1 リング・RING・指輪
ART.2 古裂(こぎれ)の華
ART.3 落人(おちうど)たちの宿
ART.4 来るべき世界
ART.5 SWEET TRAP
ART.6 古書の狩人たち
ART.7 もうひとつの鳥獣戯画
ART.8 泥の河
「もうひとつの鳥獣戯画」が特に良い。菱沼棋一郎は、メトロポリタンを追われ帰国したフジタに贋作商売を手ほどきした男で、フジタにとってはこの道の師匠みたいなものである。現在は袂を分かち、むしろ反目しているのだが、菱沼から久々に連絡があり、仕事を頼みたいと言う。訪れた先は病院である。自分は病院に入院して動けないから、ある絵を取り返してほしいと菱沼は言う。自分は余命1ヶ月なんだと嘘をつきつつ金儲けする菱沼の相変わらずの様子に、少々ふっかけて仕事を請ける――というプロローグ。菱沼なんて連載当初はせこくて卑劣な悪役という感じだったのだが。長く続けているとキャラクターの人間関係にも深みが増し、こういった話が書ける。