日垣隆『方向音痴の研究』

方向音痴の研究 (WAC BUNKO)

方向音痴の研究 (WAC BUNKO)

対談相手は、石川准・青木清・西脇正治・林秀美・山本利和の5人。石川准は盲目の社会学者であるが、目の見えない人は、「音響情報を解析」しながら、目ではなく脳で歩く――という考え方には驚いた。でも実際そうなのだろうな。地形や遮蔽物を覚え、頭の中に地図を作り、細心の注意を払って音の響きを確かめながら歩いているのだろう。
ちなみに石川准は、声の響きなどから、体型や顔立ちをイメージしているらしい。それがどこまで正しいのかは本人もわからないそうだが(何せ本人は目が見えない)、日垣隆の人相や体型は見事に当てていた。