- 作者: しりあがり寿
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2000/12
- メディア: コミック
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あとがきの言葉も、やはり静かで、しかし心を揺さぶる。
「滅び」は未来を思い描くことのできぬ者の上にやってくる。
明日もあさっても次の日も、自分がどうしたいんだか。世の中の何がどうなればよろしいんだか。
人類が空を飛ぶことを夢見ていた時代は終わった。飢えることのない社会も夢ではない。平和を夢見る時代すらここでは終わっている。
今、「輝ける未来」が失われたのは、他の何のせいでもなく、あなたの、私の、人類そのものの脳みその、一つ一つの脳細胞の、想像力の、力不足のせいなのだ。ただそれだけなのだ。
静かで透き通った終わり、その中から、それでもなお未来を思い描くことができるかどうかは、ある意味で本当に「未来」の失われつつある21世紀に残された課題である。